プログラミングスクールを調べると、まず受講料にひるみますよね。数十万円は当たり前、高いと100万円近い。でも実は、無料で学べて、条件が合えば生活費の給付を受けながら通える選択肢があります。公共職業訓練です。
私は34歳のとき、職業訓練のPHPコースに4ヶ月通いました。そして修了後、Webエンジニアとして就職しています。この記事では、申込みから就職までを、良かったことも物足りなかったことも含めてそのまま書きます。
白状すると、一度挫折しています
最初にプログラミングに触れたのは2016年。このときも職業訓練で、事務員を目指すコースでした。WordやExcelと一緒に、HTMLとCSSでサイトを作る授業があったんです。
結果は散々でした。1文字打ち間違えるだけでページが崩れる。画面には英語の長いエラーがずらり。意味がわからない。「こんなの仕事にできるわけない」——そう思って、そこで完全にやめました。
いま挫折中の人に先に言っておくと、その挫折は「向いていない証明」ではありません。私は5年後に戻ってきて、仕事にできましたから。
5年後、ブログづくりで再会した
2020年ごろ、当時の仕事に飽きて転職を考えていました。介護の資格を取って現場で働いてみたり、YouTubeに動画を投稿してみたり、ブログを立ち上げてみたり。全部やめました。合わないことは、やってみて初めてわかるんですよね。
転機はブログでした。サイトをいじるために久しぶりにコードを触ったとき、2016年のあの拒絶感がなかったんです。
エラーの解決は相変わらず大変です。でも一度理解すると、最初は何時間もかかっていたことが数分でできるようになる。自分が少しずつレベルアップしていく感覚がありました。
そして気づいたんです。技術は日々進化していくから、すべてを理解して飽きてしまうことがない。飽きっぽい自分でも、これなら一生の仕事にできるかもしれない。それで、もう一度職業訓練に申し込みました。今度はPHPを学ぶコースです。
意外と知らない、職業訓練の入り口
「無料だから申し込めば入れる」と思われがちですが、私のコースでは受講前に面談がありました。定員があるので、選考があるんです。
実際に始まってみると、クラスは25人ほど。年齢は20代から50代まで満遍なくいて、男女比は男性がやや多いくらい。「この歳で行ったら浮くんじゃないか」と不安な人、安心してください。浮きません。いろんな年代の、いろんな事情の人が同じ教室にいます。
お金の話
受講料は無料でした。私の場合は失業給付に加えて、当時はコロナ禍だったので関連の給付もあり、訓練中の生活は給付でまかなえました。
給付の条件は人によって違います
雇用保険の加入状況や離職理由によって、受けられる給付は変わります。制度も改定されるので、最新の条件は必ずお近くのハローワークで確認してください。
正直に言うと、教材は古かった
ここからは職業訓練の弱点です。先生が教材にしていたPHPの本は少し古く、昔流行ったフレームワークを学ぶ時間もありました。正直「これは今の現場で使うのかな」と感じる内容もあった、というのが本音です。
無料である以上、最新のカリキュラムを期待しすぎない方がいい。これは通った人間としてはっきり言っておきます。
ただ、だから無駄だったかというと、そうではありません。変数、条件分岐、データベース——基礎は古びないからです。それに、カリキュラムに縛られない道もありました。最終課題は「Webで見られるアプリを作る」というものでしたが、私は使いたいライブラリがあったので、先生に許可をもらってPHPではなくPythonで作りました。パチンコ店の公開データから差枚数を読み取って、イベント日にどの台が優遇されているかを検証するアプリです。相談すれば、けっこう柔軟に対応してもらえます。
一番の収穫は、技術よりも「気づき」でした
クラスの中で、私は優秀な側でした。……と書くと自慢に聞こえますが、違います。初めてエラー画面に困惑している同級生を見て、2016年の自分を見ているようだと思いました。彼らと私の差は才能ではなく、挫折と独学の分だけ先に経験していた、それだけなんです。
このとき、ひとつの考え方を手に入れました。誰かがすごく見えるとき、それは才能の差ではなく、経験の差かもしれない。だったら「自分には無理だ」と思う必要はない——。この考え方は、そのあとの学びをずいぶん楽にしてくれました。
それで、就職できたの?
できました。修了後、Webエンジニアとして就職しました。「職業訓練からエンジニアになれるのか」という問いへの、私というひとつの実例です。
職業訓練が向いている人
- お金をかけずに、まず「向いているか」を確かめたい
- 離職中で、給付を受けながら学びたい
- 独学だと続かない。毎日通う場所と一緒に学ぶ仲間がほしい
逆に、最新の技術スタックを体系的に学びたい人や、手厚い転職サポートがほしい人には、有料スクールのほうが合う場合もあります。このサイトでは両方を同じ目線で比較していくので、あなたに合う「学びの種」を探す材料にしてください。