AIスクールの広告でよく見かける「受講料の最大80%が戻る」という文言。

嘘ではありません。でも、「最大」の中身を知らずに申し込むと危ない数字です。

80%は、3段階の条件を全部クリアした人だけが到達する数字なんですよ。厚労省の公式資料(2026年7月14日確認)をもとに、その中身を全部書きます。

80%は3段階のロケットです

専門実践教育訓練給付金の構造はこうなっています。

段階 戻る割合 条件
第1段階 50%(年間上限40万円) 講座を修了する
第2段階 70%(年間上限56万円) 資格を取得し、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用される
第3段階 80%(年間上限64万円) さらに、賃金が受講開始前より5%以上上昇する

つまり「講座を受けたら80%戻る」ではありません。

修了して、資格を取って、就職して、しかも賃金が5%以上上がって、はじめて80%です。

転職せず賃金も上がらなければ50%。それでも大きいですが、広告の数字の半分ちょっとです。ここを見込み違いすると、資金計画が狂います。

申し込む前のチェックリスト

  • 雇用保険の被保険者期間が3年以上あるか(初めて使う人は2年以上)
  • 離職している場合、離職日の翌日から1年以内に受講開始できるか
  • 前回この給付を受けてから3年経っているか
  • その講座が本当に「専門実践」の指定講座か(一般・特定一般だと給付率が違う)
  • 途中でやめたら1円も出ないと理解しているか

4つ目は特に重要です。教育訓練給付には一般(20%)・特定一般(最大50%)・専門実践(最大80%)の3種類があって、スクールの講座がどれに指定されているかで戻る額がまるで違います。

確認方法はひとつ。厚労省の講座検索システム(kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)で、講座名を自分で調べることです。スクールの「対象です」を鵜呑みにしない。指定が終わっているケースを、ぼくは実際に調査で見ています。

お金の受け取り方も知っておく

この給付は、先に自分で全額払う方式です。

ハローワークに自分で申請して、あとから支給されます。専門実践の場合は受講中も6ヶ月ごとに申請・支給のサイクルがあります。「最初から割引」ではないので、一時的に全額を用意できる資金繰りが必要です。

ちなみに、経産省のリスキリング支援事業(事業者経由で割引される方式)とは別制度で、同じ講座で併用はできません。自分がどちらの対象かはこの記事で確認してください。

まとめ

「最大80%」は本当です。ただし、修了+資格+就職+賃金アップの全達成が条件。

堅く見積もるなら「50%は戻る、残りはボーナス」くらいの資金計画がちょうどいいと思います。

数字はすべて2026年7月14日時点で、厚労省の教育訓練給付ページと公式リーフレット(令和7年8月版)を直接確認したものです。制度は改定されるので、申込前にハローワークか公式ページで最新の条件を確かめてください。