生成AIスクールやプログラミングスクールの受講料、高いですよね。数十万円は当たり前。

ただ、国の制度をうまく使うと、この負担はかなり軽くなります。

問題は、この手の解説が「最大◯%戻る!」と景気のいい数字ばかり先に見せてくることです。

実際には、あなたが在職中か離職中かで、使える制度がまるごと変わります。ここを間違えると「申し込んだのに対象外」が普通に起きるんですよ。

この記事は、2026年7月14日時点の経済産業省・厚生労働省の公式資料だけを根拠に整理しました。まず、自分がどっちの制度の対象かを確かめてください。

30秒で結論

  • 在職中で、転職も考えている → 経産省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」(最大56万円の負担軽減)
  • 離職して1年以内(雇用保険に一定期間入っていた) → 厚労省「教育訓練給付」(給付率20〜最大80%)
  • どちらにも当てはまらない → 無料の公共職業訓練・求職者支援制度という道があります(後述)

順に説明します。

経産省の支援事業: 最大56万円。ただし「在職者で転職前提」限定

正式名称は「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」。仕組みはこうです。

  • 講座の受講費用(税抜)の1/2(上限40万円)が、修了時に軽減される
  • 転職して1年間働き続けると、さらに1/5(上限16万円)が追加
  • 合計で最大56万円。転職後の賃金アップは条件ではありません

お金は国から直接振り込まれません。講座を提供する事業者経由で、割引やキャッシュバックの形で還元されます。先に全額払って後から戻る方式か、最初から割引かは事業者ごとに違うので、申込前に確認してください。

無料のキャリア相談(面談)を受けることが必須で、「相談→受講→転職支援」がセットの制度です。

で、一番大事なのが対象条件です。

「在職者」でないと使えません
対象は企業と雇用契約を結んでいる人(正社員・契約社員・パート・アルバイト・派遣)だけです。経営者・個人事業主・フリーランス・無職の方は対象外と公募要領に明記されています。さらに「雇用主が変わる転職を目指す人」が対象で、講座を受けたいだけの人も対象外です。

「会社を辞めてから腰を据えて学ぼう」と考えている人、要注意です。辞めた瞬間に、この制度は使えなくなります。順番、よく考えてください。

もうひとつ、期限の話。この事業による個人への支援は2027年3月31日までとされていて、受講がその日を超えて終わる講座は対象外です(追加補助の転職完了は2027年4月30日まで)。2026年7月時点で申し込めますが、制度は最終盤に入っています。

対象講座は公式の検索ページで探せます: careerup.reskilling.go.jp/worker/search/

厚労省の教育訓練給付: 離職後1年以内でも使える

こちらは雇用保険の制度です。本人がハローワークに申請して、本人にお金が支給されます。講座のレベルによって3種類。

種類 戻る割合 上限
一般教育訓練 20% 10万円
特定一般教育訓練 40%(資格を取って1年以内に就職すると50%) 20万〜25万円
専門実践教育訓練 50%(資格+就職で70%、さらに賃金が5%以上上がると80% 年間40万〜64万円・最大3年で192万円

条件の要点は3つです。

  • 雇用保険の被保険者期間が必要(一般・特定一般は3年以上、初めて使う人は1年以上。専門実践の初回は2年以上)
  • 離職していても、離職日の翌日から1年以内に受講を始めれば対象になり得ます
  • 前回の受給から3年以内は使えません

対象講座はこちらで検索できます: kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/

落とし穴チェックリスト

  • 経産省の事業は、フリーランス・個人事業主・無職は対象外
  • 「辞めてから学ぶ」と経産省の制度は使えない。逆に教育訓練給付は離職後1年以内なら可能性がある
  • 同じ講座で2つの制度の併用はできない
  • 講座を途中でやめると1円も戻らない
  • 経産省の補助は税抜価格ベースで計算される
  • スクールが「補助金対象」を掲げていても、指定が終わっていることがある。申込前に必ず公式の講座検索と、スクールの窓口の両方で確認する

最後の項目は、実際に調査していて感じたことです。スクール側の案内ページが古い数字のまま残っていたり、以前は対象だった講座がいまは確認できなかったりするケースが、普通にありました。

「対象です」の一言を鵜呑みにしない。申込直前に必ず確認する。ここだけは守ってください。

どちらも使えない人へ

雇用保険の期間が足りない。いま無職。

そういう人には、求職者支援制度(無料の訓練+条件を満たせば月10万円の生活支援給付)や、公共職業訓練があります。

ぼく自身、職業訓練でプログラミングを学んで就職した経験があります。実際どんな場所なのかは体験記に書きました。

お金がないから学べない、とは、この国では実はなりにくいんです。

まとめ

  • 在職中+転職視野 → 経産省事業(最大56万円、2027年3月末まで)
  • 離職1年以内+雇用保険歴あり → 教育訓練給付(最大80%)
  • どちらも無理 → 職業訓練・求職者支援という無料の道

制度は変わります。この記事の数字は2026年7月14日時点で、経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公式サイト・公募要領・FAQ、厚生労働省の教育訓練給付ページ・公式リーフレット(令和7年8月版)を直接確認して書きました。申込みの前には、必ず上記の公式ページで最新の条件を確かめてください。