スクールの受講料が最大80%戻ってくる、教育訓練給付金。

制度の存在は知っていても、「で、具体的に何をすればいいの?」で止まっている人が多いんですよ。

わかります。役所の手続きは、調べるだけで疲れますからね。

この記事では、講座探しからハローワーク、受講後のお金の受け取りまで、やることを順番に全部書きます。2026年7月21日時点の厚生労働省の公式情報がベースです。

先に、いちばん大事なことだけ。

特定一般・専門実践の給付金は、受講開始日の原則2週間前までに「受給資格確認」を済ませないと、1円も出ません。

全体の流れは5ステップ

  1. 自分が対象かを確認する
  2. 講座を探して、国の検索システムで照合する
  3. キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作る(特定一般・専門実践のみ)
  4. 受講開始2週間前までにハローワークで受給資格確認
  5. 受講料を払って受講し、あとから申請してお金を受け取る

ステップ3と4が「受講開始前」の関門です。ここを逃すと取り返しがつきません。順に見ていきます。

ステップ1: 自分が対象かを確認する

教育訓練給付は雇用保険の制度です。だから条件も雇用保険ベース。

  • 雇用保険の被保険者期間が3年以上あるか(初めて使う人は、一般・特定一般なら1年以上、専門実践なら2年以上)
  • 離職している場合、離職日の翌日から1年以内に受講開始できるか
  • 前回この給付を受けてから3年以上経っているか

自分の被保険者期間なんて、正確には覚えていないですよね。

大丈夫です。ハローワークには「支給要件照会」という仕組みがあって、対象かどうかを事前に確認できます。窓口で「教育訓練給付金支給要件照会票」を出すだけ。迷ったらまずこれです。

雇用保険の期間が足りない人には、無料の職業訓練という道があります(ぼくの体験記)。在職中で転職も考えているなら、経産省のリスキリング支援事業という別制度も候補です。どちらの制度が自分に合うかはこの記事で確かめてください。

ステップ2: 講座を探して「国のシステム」で照合する

対象講座は、厚労省の教育訓練講座検索システムで探せます: kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/

ここで知っておくべきなのが、給付金は3種類あるということ。講座がどれに指定されているかで、戻る額がまるで違います。

種類 戻る割合 上限
一般教育訓練 20% 10万円
特定一般教育訓練 40%(資格を取って1年以内に就職すると50%) 20万〜25万円
専門実践教育訓練 50%(条件をクリアすると最大80%) 年間40万〜64万円

スクールのサイトに「給付金対象」と書いてあっても、必ず検索システムで講座名を自分で照合してください。指定が終わっているケースを、ぼくは実際に調査で見つけています。スクールの申告ではなく、国のデータベースが正です。

専門実践の「最大80%」は、修了・資格・就職・賃金アップの3段階条件付きです。カラクリはこの記事に全部書きました。

ステップ3: キャリアコンサルティングを受けて「ジョブ・カード」を作る

特定一般・専門実践の場合、受給資格確認の前にもうひとつ関門があります。

訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受けて、ジョブ・カード(就業の目標や能力開発の計画をまとめた書類)を作ることです。

これ自体は無料。ハローワークで予約できます。

問題は時間です。面談の予約が数週間先まで埋まっていることがあるうえ、ジョブ・カードには事前記入が必要。受講したい講座が決まったら、真っ先にこの予約を取ってください。全手順の中で、いちばんの渋滞ポイントです。

締切は「2週間前」。でも動くのは1ヶ月前
受給資格確認の提出期限は、2024年4月に「受講開始日の1ヶ月前まで」から「原則2週間前まで」に緩和されました。ただしその前にキャリアコンサルティングの予約と面談が挟まります。逆算すると、受講開始の1ヶ月前には動き出すのが現実的です。ネットには「1ヶ月前まで」時代の古い解説も残っているので、期限の数字は公式で確認を。

ステップ4: ハローワークで受給資格確認(受講開始2週間前まで)

住所地を管轄するハローワークで、受給資格確認の手続きをします。主な持ち物はこのあたり。

  • 受給資格確認票(ハローワークで入手。スクール経由で渡されることもあります)
  • ジョブ・カード(ステップ3で作ったもの)
  • マイナンバーカードなどの本人・住所確認書類
  • 給付金を受け取る本人名義の口座がわかるもの

細かい要件は窓口ごとに案内が違うことがあるので、行く前に管轄ハローワークへ電話で確認しておくと二度手間になりません。

なお、一般教育訓練(20%のコース)だけは、この受講前手続きが不要です。修了後の申請だけで済みます。楽ですが、そのぶん戻りも小さい。

2024年2月からは電子申請(e-Gov)にも対応しています。ただ、初めての人は窓口で聞きながらのほうが確実だとぼくは思います。不備のまま期限を過ぎたら、元も子もないので。

ステップ5: 受講料を払い、受講し、申請してお金を受け取る

ここで勘違いが多いのですが、この制度は割引ではありません。先に自分で全額払って、あとから戻ってくる方式です。一時的に全額を用意できる資金繰りが前提になります。

支給申請のタイミングは種類で違います。

  • 一般・特定一般: 修了日の翌日から1ヶ月以内に申請
  • 専門実践: 受講開始から6ヶ月ごとに申請。各支給単位期間の末日の翌日から1ヶ月間が申請期間。修了後も、修了日の翌日から1ヶ月以内に最後の申請

この「1ヶ月」の申請期間を過ぎると、その分は原則もらえません。

長い講座だと、申請は3回、4回と続きます。受講でいちばん忙しい時期に締切が来るんですよ。スマホのカレンダーに全部入れておきましょう。本当に忘れます。

ちなみに離職中の人向けには、専門実践の受講中の生活費を支える「教育訓練支援給付金」(基本手当日額の60%相当)という上乗せ制度もあります。対象条件が細かいので、受給資格確認のときに窓口で聞いてみてください。

つまずきポイントまとめ

  • 特定一般・専門実践は、受講開始2週間前までの受給資格確認が絶対条件
  • キャリアコンサルティングの予約が最大の渋滞。1ヶ月前行動
  • 対象講座かどうかは、国の検索システムで自分で照合する
  • 先払い方式。全額を一時的に用意する資金計画が必要
  • 支給申請の期間は各1ヶ月だけ。カレンダー登録必須

まとめ

対象確認、講座照合、ジョブ・カード、受給資格確認、そして受講と申請。手順は5つです。

一つひとつは難しくありません。難しくないのに、期限の仕組みを知らなかったというだけで数十万円を取り損ねる人がいる。それがこの制度のこわいところです。

給付金の対象になっている講座の個別事情は、キカガクテラキャンの記事で講座単位に確認しています。スクール選びそのものに迷っている人は比較ページからどうぞ。

この記事の内容は、2026年7月21日時点で厚生労働省の教育訓練給付制度ページおよび専門実践教育訓練給付金Q&Aを直接確認して書きました。制度は変わります。申込前に、必ず管轄のハローワークで最新の条件を確かめてください。